日時:5月17日(土)10:00~12:00
場所:Zoom によるオンライン開催
範囲:第69巻 瑞典国ノ記 下
場所:Zoom によるオンライン開催
範囲:第69巻 瑞典国ノ記 下
明治6年4月26日~30日ストックホルム市内・近郊を視察した後、スウェーデンを離れた。
軍施設・各種工場視察
26日、国王の勧めで軍施設を訪問、海軍工廠、練兵場で射撃や体操訓練の様子を視察した。騎馬を使った体操訓練は、スウェーデン式体操として知られる。当日は国王自ら岩倉大使の手を取り案内した、とある。
28日以降は、ラシャ工場、製鉄所、木工所、造船所、チーズ工場等を見て回った。中でもイェンシェピング社のマッチ工場は、発火材と燃焼材を分離させ、箱の側面をマッチ棒で擦る「スウェーデン安全マッチ」を発明し世界を席巻した工場であった。
博物館・離宮見学
26日午後、スカンジナビア博物館を訪れ、郷土の考古品や絵画・彫刻を見て回った。使節団が訪問した建物は、現在では絵画・彫刻に特化した国立美術工芸博物館となっており、考古品は国立歴史博物館に移されている。小野さんから、江戸時代には蘭学から発展し中国の「三才図絵」をベースに博物学ブームが起こり、ツンベルク(スウェーデン人でリンネの弟子、日本植物学の父)や木村兼葭堂について説明があった。
27日は湖に繋がる水路を遡り20キロ西のドロットニンホルム宮殿を訪れた。3階建ての清楚な建物はベルサイユ宮殿を模した造りで、王家の夏の離宮となっていた。
小学校見学
29日は市内の小学校を訪問した。スウェーデンは1842年発令の民衆教育令で小学校義務教育制度を導入したが、訪問先の小学校でも児童は労働力として当てにされ卒業後は仕事に就く生徒も多く、文明社会を生きる上で必要な知力・向上心を如何に植え付けるか留意されていた。
(冨田兼任記)