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新刊:岩倉使節団をめぐる七つの謎 

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岩倉使節団をめぐる七つの謎〜Seven Mysteries over the Iwakura Mission毎日新聞より

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明治維新後の歴史でよく出てくるキーワードに「岩倉使節団」があります。その内容について知ろうと使節団の記録『米欧回覧実記』を読んでみても何かスッキリしない。

その理由は、そこに いくつもの「謎」が潜んでいるからです。その「謎」を多角的に解き明かそうとするのがこの本なのです。

「謎」は、多岐にわたるので4つのアプローチで挑んでいます。第一部では、岩倉使節団がどのような旅をしたのか?その七つの「謎」を。第二部は岩倉使節団が帰国してからの七つの「謎」を。更に補足するために第三部で対談によって探っています。加えて、「コラム」も添えています。

もう一つは、「パスファインダー」というアプローチです。ここでは第一部、第二部、第三部の細かい「謎」についての参考図書を情報提供いています。

この本の特徴は、岩倉使節団を多角的、多面的に謎解きをしていることでしょう。いわば『岩倉使節団の手引き』と言えそうです。

皆さんは、本書で岩倉使節団の多くの「謎」が明快になり、岩倉使節団について一家言持ったような気持ちになれることでしょう。

【目 次】

第一部 岩倉使節団は、どんな旅をしたのか 泉 三郎

プロローグ 思惑渦巻く、謎多き使節団
一話 初の訪問国「米国」で、まさかの大失敗!
二話 条約は結びそこない金は捨て 世間にたいし何といわくら
三話 こんな「凄い変化の世」には、ついていけない!
四話 麗都パリは天国の如し、「愉悦」の日々?
五話 二つの小国、新興ドイツと大国ロシア
六話 北の小国から南国イタリアへ、そして、ウィーン万国博覧会と山国スイスへ
七話 悠々たる船旅、大旅行を反芻し、植民地の実態を目撃す!
エピローグ 帰国、奇跡的な逆転劇で政権奪回!

第二部 岩倉使節団の成果とは何だろう。 小野 博正

Q1 岩倉使節団が船出した当時の西洋近代とはどんな時代だったのか?(世界が丸く一つになっ
Q2 明治六年の政変後、内務卿となって独裁(有司専制)政権を実現したと言われる大久保利通は明治十一年に亡くなるまでの間に結局何を実現したのでしょうか。大久保政権は何を目指したのでしょうか。彼は独自の政策は何にもなかったと言う論者もおりますね。(いわゆる大久保政権とは)
Q3 第一部で大使や副使の回覧中の動きが描かれていましたが、その他の理事や書記官たちの活躍はあまり聞いたことがありません。彼らは明治の国のかたちにどう関わったのでしょうか?(使節団の群像から見る明治の国のかたちとは)
Q4 明治十四年政変は、伊藤博文と大隈重信の対立と言われているが、岩倉使節団との関連はどんなところにありますか?(漸進派 VS 急進派の対立)
Q5 果たして、使節団から、遥か後年に制定された大日本帝国憲法が岩倉使節団の成果と言えるのでしょうか? 岩倉も、大久保も、木戸もとっくに亡くなっていますね。(岩倉使節団の成果であることを検証する)
Q6 使節団が各国歴訪の際、長崎でのキリスト教徒弾圧(いわゆる浦上四番崩れ)への抗議とキリスト教解禁の要請があったと聞きますが、どんな対応をしたのでしょう。(使節団の憂鬱 浦上四番崩れへの抗議とキリスト教解禁要請)
Q7 不平等条約の改正が明治の後半(一九九六年)までかかたのはなぜですか。そもそも不平等条約とは何が不平等なのですか。

コラム1 使節団の正式報告書『米欧回覧実記』の著者・久米邦武のエンサイクロペディア的博識ぶりは一体どこからきたのでしょうか?
コラム2 シュタイン詣でとシュタイン翁追弔祭
コラム3 お札の顔になった岩倉使節団の面々 岩倉具視、伊藤博文、津田梅
コラム4 伊那谷の歌詠みおばさん岩倉具視の命を救う? 勤王志士・農婦・松尾多勢子
コラム5 岩倉使節団の費用は結局幾ら掛ったのか?

第三部 今、何故、岩倉使節団なのか? 対談 泉三郎・小野博正

岩倉使節団との出逢いは……
歴史に疑問や謎はつきもの、議論することで新しい気づきがある。
我々は何のために歴史を学んでいるのか。
いま、なぜ、岩倉使節団か、その今日的意味とは何か?

特別編【岩倉使節団のパスファインダー】‐深掘りのための情報‐ 多田 直彦

Q1. 第一部の泉三郎さんの文章を読んで、もう一度、『米欧回覧実記』を読みたくなりました。ただし、全五巻は勘弁していただきたいので、一冊で読める良いものはありませんでしょうか
Q2. 泉三郎様の著書を読んでみたくなりました。沢山、書いておられますので、二~三冊推薦して下さい。
Q3. 第一部や第二部でも出てくる次のキーワードについて「全文」を読みたい。
Q4. 第一部で、「木戸日記」の話が出てきますが、もっと詳しく書いたものを知りたい。
Q5. 私は岩倉使節団について興味があり、現代語訳の『特命全権大使 米欧回覧実記』を入手しました。しかし、岩倉使節団の主目的であった不平等条約改正のことについては、一行も書かれておりません。この本は、使節団の正式報告書だと思っていましたが、なぜ書かれていないのでしょうか? 又、そのことは別の書物に書かれているのでしょうか、お教えください。
Q6. 不平等条約の改正交渉について書かれている情報をお教えください。
Q7. 『特命全権大使 米欧回覧実記』が正式の報告書でないのなら、一体、『実記』とは、どのような「性格」の書物なのでしょうか?
Q8. 『米欧回覧実記』以外に書かれた岩倉使節団の報告書を教えて下さい。
Q9. 第一部に出てくる「事由書」についてお教えください。
Q10. 岩倉使節団の帰国は、明治六年九月十三日ですが、久米邦武の『特命全権大使 米欧回覧実記』が最初に刊行されたのは明治十一年十月です。それは、帰国五年後のことになります。少し遅いと思いました。その理由は、久米邦武が詳細に調べ直したためだけではなく、一つの事件があったと聞いているが、それについてお教えください。
Q11. 一八七八年(明治十一年)十月に刊行された『特命全権大使 米欧回覧実記』の普及版である岩波文庫『特命全権大使 米欧回覧実記』が出版されたのは一九七七年九月で、約一〇〇年後のことです。(その間、二〇〇二年に英訳版(はしがき・xiv)が出版されていますが。)本書は、歴史的な価値のある名著でありながら、なぜ、一世紀の間、途絶えたのだろうか。
Q12. 田中不二麿は岩倉使節団の一員で、帰国後、文部大輔まで進み、学制実施と教育令制定を主導した方ですが、『米欧回覧実記』には出てきません。田中不二麿が欧米で学んだことを知りたいと思います。
Q13. 『米欧回覧実記』の楽しみの一つは、時々出て参ります「さしえ」です。海外の様子をあれほど精密にどのようにして『実記』に登場することになったのでしょうか?
Q14. 「米欧亜回覧の会」で出された書籍には、貴重な論文があると聞きました。どのような出版物があるのか、お教えください。
Q15. 岩倉使節団について書かれているお勧めの本をお教えください。
Q16. 歴史について考え直したいと思いました。お勧めの本をお教えください。
Q17. 第三部を興味深く伺いました。そこで明治六年、明治十四年の政変、征韓論などに見方が色々あるようです。他の識者はどう言っているのか知りたいので、参考図書をお教えください。
Q18. 岩倉使節団が中学や高校の教科書にどのように書かれているのか、知りたい。
Q19. 英語版の『米欧回覧実記』があると聞いたのですが……。
Q20. インターネット上で岩倉使節団について総合的に学べるサイトをお教えください。

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「新刊:岩倉使節団をめぐる七つの謎 」への3件のフィードバック

  1. 「岩倉使節団をめぐる七つの謎」という書籍名なのでどんな謎解きをしてもらえるかという期待があったが、その謎についての話になかなか行きつかず全370ページの前半の192ページが「岩倉使節団は、どんな旅をしたのか」という泉さんのこれまでの著作のまとめとも言うべきじっくりと読まなければいけない文章だったので第二部に辿りつく前に正直読み疲れてしまい、その先になかなか進めなかったというのが正直な印象です。
    泉さんの第一部をメインにして第二部に簡単な対談なり後日談を載せてよりシンプルな構成にした方が読みやすいと思いました。
    この場合本のタイトルも七つの謎を強調しない方が良いのではないでしょうか。

    あるいは七つの謎をメインとするならば第一部は使節団の概要を述べるにとどめ、もっと知りたい人には著作に誘導する方法もあったのではと思います。
    総じて内容を詰め込み過ぎたのではないでしょうか。
    勝手な感想です。

  2. 投稿深謝。思い当たる点が多い指摘です。デジタル出版をベースとする発想から、当初想定読者を、岩倉使節団をよく知らない若手をターゲットに「七つの謎」としました。しかし、書籍出版もと次第に欲がでて、研究者にも読んでいただける、三人の総決算との思いも捨てがたくなり、当初の初心者向けが、研究者にも通用する内容に次第に変容した点は否めません。つまり、ターゲットが虻蜂取らずで、絞りきれなかった点です。共著であること専門編集者がいない悩みで
    しょうか。当会内議論では、内容面でのご指摘も、期待しております。

  3. 回答ありがとうございます。
    確かにターゲットが絞り切れていない印象は否めないですね。
    しかしあれだけの長編を纏めようという努力は大したものです。

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