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実記輪読会:27巻「里味陂府ノ記 下」

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日時:令和2年4月8日(水) 13:10~15:00
場所:オンラインミーティング

1) ZOOMで「在宅勉強会」

 48日(水)の輪読会は、ZOOMを使ったネット上のビデオ会議に、参加者が自宅からパソコン、タブレット、あるいはスマホで参加するテレワーク形式で開催された。 初めての試みだったが、メンバーの吉原さんが前広に準備・テストを繰り返してくれたお陰で、定例開催場所の日比谷図書文化館のセミナールームがコロナ騒ぎで使えなくなる前に準備が整い、慌てることなく「在宅勉強会」に切り替えられたのは幸いだった。 

 午後1時に、シカゴの村井さんを含めて7人が画面上に揃い、ナヴィゲーター役の冨田さんが急用で欠席になった穴は岩崎氏が代行して初めての「在宅勉強会」がスタートした。冨田さん作成のレジメ(別添)を参照しつつ、いつものように部分部分を輪番で音読の上、解説・質疑応答する形で会を進めたが、初参加の方から「音読の良さを実感した」と言っていただけたのは嬉しかった。 

2) 本日の課題は「第27巻リヴァプールの記下(全17ページ)」

 830日に見学した造船所では巨大船(4000トンクラスと思われる)が2隻建造中だった。英国では、当時世界最大の船会社が太平洋と大西洋を繋ぐ新航路用にグラスゴーと合わせて12隻建造の計画を進めていたが、久米はその大掛かりな作業状況と重量物を移動用クレーンの仕掛けを詳細に描いた上、「製作場には図引が肝要」なのに、「性質機敏な日本の民は、思慮を厭い、進歩を失えり」と嘆いている。

 91日に訪問した大礼拝堂では巨大パイプオルガン(パイプ数7737で当時英国最大)で、2曲(リストのマーチとメンデルスゾーンの結婚行進曲)の演奏を聴き「殷々として大音律堂に充つ」と感激している。

 次いでリバプールから70キロ離れたクルー市の鉄道車両工場を見学した。1830年に世界最初の実用的鉄道をリバプールとマンチェスター間に開通させた英国では機関車・レールの生産が盛んで、国内はもとより、欧州各国、さらにはインド、オーストラリアにも輸出され、今は「支那にも架せんことを企てる・・・・鉄の利たる真に無量なるかな」と結んでいる。 

3) ZOOM勉強会の可能性 

 終わってから、各自が飲み物を持って再集合し、「バーチャル飲み会」を試みた。これも含めて、ZOOM輪読会が日比谷に集まってやるリアル輪読会と感覚的に大差なく思えたのは収穫だった。「日比谷は遠くて通えないが、この形式だったらぜひ出たい」、「広い場所では声が聴きにくかったが、ZOOMだとイヤフォンで良く聞こえる」という方々もいらっしゃることを考え合わせると、在宅輪読会をしばらく続けて良さそうに思えた。(岩崎洋三記) 

緑色の文字の部分をクリックすると表示される冨田さん作成レジメのP.3は水澤周さん作成「米欧回覧実記辞典」を、フルベッキ輪読会の市川三世史氏がデジタル化してくれたものです。

 

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