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実記輪読会:第26巻「里味陂府ノ記 上」

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日時:令和2年2月12日 13:10~15:00
場所:日比谷図書文化館 4Fセミナールーム

明治5年8月27日
パークス、アレキサンダー、及びアストンの同伴で英蘇の各地を総勢9名で廻った。リバプール市はランカシャー州南部の要港で英国第二の都会。1871年の人口は50万3874人、米国との往来の港、毎日平均53隻が大西洋に出ていく。港口にドックを造った。煤煙がすざましく上層階級の人間でも平均寿命は35歳、下層の労働者は15歳。リバプールを囲むランカシャー、チェシヤーの両州に工場が多い。リバプールに到着したのは伊藤、大久保、木戸の3副使と書記官の何礼之、林董、畠山義成、理事官の吉田清成、田中光顕の9名だが久米は8月28日に一日遅れて山口、大鳥圭介と共に追いついた。

8月28日
午後1時半に馬車でタウンホール到着、市長が出迎え議場に案内された。その後市内の取引所を訪問。
午後3時にホテル前で消防夫の訓練を見た。
夜7時からタウンホールで市長招待の宴会が開かれた。

現在でもリバプールの観光名所であるAlbert Dock(アルバート・ドック)は1846年にオープンした世界初の不可燃性の倉庫システムで、鋳鉄、レンガと花コウ岩で建設されていた。ドックは船の修復や係船、荷役作業のために築造された施設で、1848年には世界初の水圧を利用した貨物用昇降機が取り付けられた。

久米達が見学したのは:
・水門の開閉を見た、ドックの両側にウインチがあり双方で回すと橋板が移動し橋の上を往来が出来る。同時にドックの両扉が中央で合わさって水門が閉まる。
・穀物倉庫を見学、この倉庫は煉瓦と石による6階建ての建物でドックの3方を囲むように出来ている。
・ドライドック 船の修理の為の乾ドックを見た。
・砲台を見た。
・キューナード・ライン所属の「Cuba」という船を見た。
・石炭の積み降ろし作業を見学。
・タバコ倉庫を見学した。

以上

(文責 吉原重和)

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