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実記輪読会:24巻 「ロンドン市ノ記 中」

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日時:令和元年12月18日 13:10~14:50
場所:日比谷図書文化館 4Fセミナールーム

明治5年8月1日(1872年9月3日)バッキンガム宮殿見学。ヴィクトリア女王はスコットランド避暑で不在、結果、使節団は12月まで滞在することになった。
2日パーラメント(国会議事堂)見学。英国国会は議院内閣2院制で上院(貴族院)は世襲貴族等で構成、非公選の終身任期制。下院は650名定員の小選挙区公選制、5年に一回の総選挙または解散による選挙で選出。下院議長は発言許可、秩序混乱時の議事中断、退場命令等絶対的権限を有し、時に「order(秩序を守りなさい)」と大きな声を発し議場を制する。
5日ウィンザー城、8日テームズ川を13km下流のウリッジの兵器工場、9日王室厩舎、10日ロンドンの西130kmのベーコンヒルに赴き大観兵式を見学した。

番外編【実記には記述なし】;「条約は結び損ない金取られ世間に対し何といわくら」と狂歌に謳われた大金紛失事件に触れる。アメリカから使節団と同船した高杉晋作の従兄弟でアメリカン・ジョイント・ナショナル銀行ロンドン支店長南貞助に当銀行への預金を唆され、使節団のメンバー(木戸孝允も)の中にも金を預ける者も出た、しかし銀行は破産、お金は帰って来なかった。使節団の資金を預かる大蔵省理事官田中光顕も預金を勧められたが、断ったので難を逃れた。この南貞助という人物、渡英後すぐにイギリス人妻と結婚し、1873年国際結婚が合法化された時には最初に外務省に国際結婚登録申請をした人物でもある。

(冨田兼任記)

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