i-Cafe-music:7月部会報告「岩倉使節団の米欧回覧・デンマーク編」

2017.7.23(日)14.00-17.00@シェア奥沢

今回は「岩倉使節団の米欧回覧・デンマーク編」と、初めて小国をテーマにした。
元駐デンマーク大使佐野利男氏の「デンマーク国民のメンタリティ―」と題するお話は、自主性を重んじ、hygge(ヒュッゲ)と云って居心地の良い空間で気の置けない人たちと楽しい時間を過ごすことを旨とする価値観など、同国が世界一幸せな国にランクされる秘密を解き明かしてくれた。具体的には、地方分権が進んだ同国の地方議員は無給、適性に応じた弾力的な教育、キャリアアップを容易にする転職斡旋システムなど、見習うべきことが多かった。

ミニ・コンサートの部では、『デンマーク王子の行進曲』でトランぺッターにご協力いただいたり、『ペール・ギュント』では物語を朗読したりの新しい試みが新鮮味を加えた。

なお、i-Cafeに時々お越しいただいている藤本千賀子さん(大学院博士課程在籍)が、以下の様な感想をお寄せいただいた。

『第一部「映像とお話」では、DVD第七章「新興ドイツと大国ロシアそして小国の智慧」からデンマーク訪問部分を上映後、元駐デンマーク特命全権大使・前軍縮大使の佐野利男氏に「岩倉使節団のデンマーク訪問と同国近況~デンマーク国民のメンタリティ」という演題でお話いただいた。今年はデンマークと日本の外交関係樹立150周年ということだ。

お話の前半で、デンマーク国民のメンタリティについて伺った。同国が半島にあるという地理的条件や同国の歴史に触れ、①同国民は勤勉で、同国を大切に思っていること、②受けた教育の違いから、年配の世代は国家主義的であるが、若い世代は国際的であるということ、③同国民が大切にしている「外で失いしものを内にて取り戻さん」という精神が、WW2の後、福祉国家へと続いていくこと、などを解説していただいた。

後半では、なぜデンマーク国民が世界で最も幸せといわれているか、という論点で、同国の社会福祉について伺った。同国は高度福祉社会を実現していく過程で、子育て・教育・介護を個人の責任から社会の責任とした。また、産休・育休の際にも公共セクターが週1回、午前のみといった柔軟な働き方を提案することで、女性が退職する必要がなく、社会進出率を高めるのに一役買っている。さらに職業選択の自由度が高く、同国では平均6回転職するという驚きのお話も伺った。失業保険や再雇用制度が充実しており、転職はほとんどがキャリアアップだというからまた驚きであった。

筆者は女性であり、柔軟な働き方ができるという点に魅力を感じた。日本でも是非取り入れてほしいところであるが、実際にこの制度で動いているデンマークで問題はないのかが気になった。そこで、この福祉制度で、同国ではどのような問題があるのかを質問したところ、「地方分権が進んでおり、国の問題ではなく地方それぞれでの問題(国会の仕事は外交と防衛程度)となるが、その地方によって問題が多様であり、一概にどんな問題とは言えない。」ということであった。

第二部「ミニコンサート~デンマーク&北欧の歌」では、森美智子さん、i-Café Singersが歌を、武藤弘子さんが歌と朗読を、関駿さんがトランペットを、植木園子さんのピアノ伴奏で披露した。童謡「春が来た」と似たメロディーで親しみやすい「デンマーク王子の行進曲」のトランペット生演奏や、名前は聞くが話は知らない「ペールギュント組曲」より「ソルヴェーグの歌」をあらすじの朗読付きで味わうなど、とても贅沢な時間であった。

第三部「交流会」では、シェア奥沢のキッチンマスター立山さんによるデンマーク料理とワインに舌鼓を打ち、佐野氏を中心に大いに語り合った。(藤本 千賀子)

(文責:岩崎洋三)

 

 

 

 

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