泉 三郎
設立20年記念のグランドシンポジウムから200日が過ぎた。
壮大なテーマを掲げて3日間、アマチュア集団にしてはよくやったと思う。諸先生方もよく協力してくださったし、わが会員の発表者も熱意をこめて真摯に報告してくれた。とりわけ準備から当日の設営・運営までの裏方の活躍は目覚ましかった。
もっとも、シンポジウム自体については厳しい批判もある・・・看板に偽りあり、詰め込みすぎて消化不良、脱線・繰り返しが目立つなどなど。私自身にもその反省があって、無茶をやったなあ、との思いがズシリと重い。
そんなこんなで、終わって3ヶ月はほとんど虚脱状態だった。疲労困憊、挫折感もあって何もする気がわかなかった。しかし100日を経た頃から、ようやく変化が見られた。すこし気力がもどってきたのである。
そこで、3日間のテープを聴くことから始めた。基調講演、個々の発表、パネルデスカッション、アトランダムに聴いてみた、にわかに面白くなってきた。3日間、私はず~と会場にいたし聴衆の一人だった。にもかかわらず、内容を殆ど聞いていなかった、進行や運営、人の動きに気をとられて聞くことが細切れになっていた、全体としてちゃんと聞いていなかったことに気づいた。
テープを独り静かに聞いてみると、新しい発見、論点、重要な課題が、いろいろ提示されている。このままにしてはもったいない、申し訳がない、反芻し深掘りし、きちんと応答していかなくていけない。通り一遍の読みや聴講で済ませてはいけない、もっと読み込み聞き返すことが肝要だと思った。
顧みれば20年という歳月はワンサイクルである。当会もワンサイクル終えて、新しい始まりの時なのだ。このシンポを反芻することで、新しい方向が見えてくると思う。幸い今はネットでそれを聞くことができる、しばらくすればテープ起こしの原稿も見ることが出来るだろう。みなさんにお願いしたい、是非シンポジウムを反芻してほしい、と。