このところ 創立20周年記念事業の企画について、大小いくつかのミーテイングが行われているが、そこではいろいろのアイデイアが浮上している。その中に、「岩倉使節団記念館」の構想が芽生えてきた。「ええ!記念館? どの場所に? 資金は?」との声が直ぐ返ってくる・・・。ところが、「場所も資金もいらない。ハードでなくソフトでやるのだ」との声。つまりバーチャル空間でやるというのです。
その実現例を、幹事の岩崎洋三氏が提示してくれた。岩崎氏は、早い時機から最新のIT機器を使いこなして周囲のシニア共を唸らせてきた人物だが、最近、「鈴木商店記念館」なるミュージアムを発見したという。それは現在の大商社「双日」の前身、日商岩井のそのまた大元である鈴木商店の創業者ともいえる金子直吉を中心とした記念館なのだ。ネット上で入館すると、人物、建築などの写真、歴史、伝記資料の展示が次々に見られ、調べたい項目をクリックすると、あちこちに飛んで思い通りの情報に接することができる優れものなのだ。これは、鈴木商店の親睦組織である「辰巳会」が中心となり、全国の鈴木商店愛好家を組織し想いを寄せる人たちがボランテイアで制作したという。
この記念館は実に素晴らしく、是非ご一覧を薦めたい。岩倉使節団を素材にすれば、いろいろの展開が想像できる。明治維新の前後、岩倉使節団と留守政府、明治国家の形成過程等々、それに関連して諸々の人物を描いていけば、明治日本の全体像を立体的に鳥の目でも虫の目でも自在に見ることが出来ることになりそうだ。
今、グローバル人材がしきりに注目を浴びているとき、これは極めて有力な教材になり、今後の日本を担う青少年に益すること大なるものがあると思う。今日のIT時代では、コンテンツさえあれば「博物館」でも「美術館」でも立派にできあがってしまうのだから驚きである。我がシニア世代も勇躍して、この夢にチャレンジしてはどうだろうか。