今回の新政権の誕生は、近代日本における「歴史的」な変革であり「静かなる革命」ともいわれている。そして、新旧政権の交代からまだ1ヶ月も経っていないのに、内政、外政ともすでに大きな「チェンジ」が実感され、それがいよいよ現実のものとなりつつある。世界の舞台においても、鳩山首相の国連総会並びに安保理事会でのスピーチは、日本にとって歴史上画期的な発信になったといっていいだろう。オバマとハトヤマという新コンビの登場は、いずれも世界の文明史的大変化の潮流にのったものであり、それに期待するところは大なるものがある。
かつて「米欧回覧実記」で久米邦武はいった、明治維新は、「世界気運ノ変」によるものであり、それに伴う大改革は「人為にあらず、ほとんど天為なり」と。わたしたちも、それから百四十年を経て、いまやその新たなる「世界気運ノ変」のただ中に遭遇している感じがする。
さて、当会も設立13年目を迎え、変革の時を迎えている。その12年余の歴史の中で多くの実績をあげてきた。それはニュースの55号までを歴覧すれば明らかであり、その間に特筆すべき事業としては、2回の国際シンポジウムの開催とその記録の出版があり、また「米欧回覧実記」の現代語訳全五巻の企画出版やDVD「岩倉使節団の米欧回覧」の企画制作がある。これらは外部からも高く評価されており、これからも長く読まれ、記憶されていくであろう。
しかし、その間、会員の高齢化はすすみ、かつて還暦世代であった中心メンバーも古稀世代になった。このままでは会の活動もマンネリに陥り、活気を失う。この際はどうしても次世代への若返りが緊急の課題となってきた。そこで、今回、前向きな有志をコアに「企画委員会」が新設され、やる気のある若手(本会では還暦プラスアルファまでをいう)に参集をよびかけて会のリニューアルのための企画を練ることになった。本会でも、「世界気運ノ変」に応じた「チェンジ」への活動が始まることになる。