本会設立10年目の4月を迎えるに際し、待望の3つのことが現実になることはまことに喜ばしい。1つはNPO法人化であり、1つは「現代語訳」の出版であり、1つは青年部の発足である。それはいずれも本会の新しい展開と飛躍へのステップを予感させる。むろん、そのいずれもが会員の今後の協力にまつところ大であるが、それは会の方向を示す3つの光だといっていい。
NPO化はすでに形式的には半年前に実現しているが、これからが実体充実の本番であり総務部を中心にいろいろの活動が動き始めている。具体的には、活動内容の充実、組織の強化、財政基盤の整備、事務局の充実などだが、それぞれに徐々にながら取り組みが進んでおり今後が期待される。
また、「現代語訳」の出版については、これから半年、1年と年月を経るにしたがい大きな反響をもたらす可能性がある。ただ、価格的なハードルがあるため、一般にはなかなか普及がむずかしかろう。そのため当面は、都府県、市区町村の図書館や大学図書館などが主な販売対象となろうが、その他にも購入してほしいところが数多ある。たとえば海外との関係が深い会社、官庁、旅行業界、日本語学校、あるいは高校、中学の図書室など、若い世代の目に触れる場所である。会員の中でも各種関係先には積極的なPRに務めてもらい、資金的に余裕がある方は購入して母校や地元の図書館などに寄贈してもらえると有り難い。
また、青年部の発足は、平均年齢の高齢化を深刻に受け止めていた当会としては、未来が開ける希望の光である。これまでは若者を誘っても余りに年齢差があるため敷居が高く入会や継続に無理があったが、これからは青年同志、気易く語り合える仲間がいるということで、入会が容易になる。現代語訳の出版と併せ、インターネットのさらなる活用も含め、今後の展開が大いに期待される。