18 インターネット部会に期待する

岩倉使節団がサンフランシスコのホテルに第一歩を印したとき、まず驚いたものに電鈴があります。「奴婢ヲ呼ニ電線アリ、指頭纔ニ触レハ、鈴声百歩ノ外ニ鳴ル」、指の先でちょっと触れればメイドが百歩の外からとんでくるという訳です。

米国連邦政府は当時最先端の技術「テレガラフ」で一行を驚かせようとしました。サンフランシスコまでわざわざ電線を敷設し、ワシントンにいる国務長官や電信の発明者モールス、留学中の岩倉の息子と岩倉大使とを交信させたのです。米国側の期待に背いて久米はそれについては素っ気ない記録しか残していませんが、到着早々でまだその意味するところがよくのみこめなかったのかも知れません。

しかしその後の視察で大勉強したのでしょう、ロンドンの電信局では印象をこう述べています。電信は、「大抵半地球ヲ貫通シテ、日々相報告ス、世界ノ事ハ、猶之ヲ、掌ニミルカ如シ」。
そして「西洋人は外国を見ること隣村を見る如くであり、日本人は外国を見ること星の世界を見るようだ」と書いています。

いま、インターネットに代表される通信技術の大革新をみていると、久米の当時の驚きが何層倍にもなって迫ってくる感じがします。いまやパソコンのキーにちょっと触れれば、「世界の事は掌にみるがごとし」となってきたのですから…

米欧回覧の会でも、その技術革新の波にのるべく、インタネット部会のみなさんの大変な尽力で、3月中には「ホームページ」が立ち上がります。これは会員はむろん外部とのコミュニケーションに画期的な手段を提供することになり、時間と空間の制約を超えていつどこからでもコミュニケーションが可能になり、若い世代へのアクセスとしても大きな力を発揮することになると思います。新メディア「ホームページ」の開設が、米欧回覧の会にどのような刺激を与え、新たな展開をもたらすか、大いに期待されるところです。

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