このたびの新刊「堂々たる日本人」については、売れ行きもよく増版を重ねており、皆様のお蔭と深く感謝しております。書評や紹介記事もいろいろ出ておりますが、生の声を含め率直な反響を要約すれば次のようになりましょう。
プラス評価としては、読み易い、若者にも読める、格好の啓蒙書、勇気をあたえてくれる、自信を取戻せる、元気がでる、題名が今の時代にぴったり、ぜひ政治家に読んでもらいたい、日本国民必読の書などさまざま…
また、マイナス評価としては、明治を美化し過ぎる、薩長政権の評価が甘い、民権の視座が足りない、大国志向にならぬよう、保守反動にならぬよう、右翼に利用されるな、までいろいろです。
「堂々たる」という言葉が覇権や大国、大建築や豪壮さをイメージさせて、小国や庶民感覚と乖離しているという印象を与えるのかも知れません。しかし実際には、小さくても堂々たりうるし、貧しくても心は錦ということがあります。傲慢でも卑屈でもない、精神的な豊さと強さを志向していると理解していただきたく思います。
これからの「堂々たる日本人」は少なくとも偏狭なナショナリズムとは無縁であり、そのまま「颯爽たる地球人」に通じていなくてはいけないと思います。つまり根無し草のデラシネ的コスモポリタンではなく、日本人としてのアイデンティティをしっかりもちながら世界に通じるということでなくてはいけないと思うのです。
本当の日本人こそが地球人である…そのような「21世紀の肖像」を模索していきたく願っています。