日時:令和2年8月12日 13:00~15:00
場所:ZOOMに依るインターネット開催
内容:岩倉使節団授業について
講師:広島県福山市立駅家北小学校教務主任
6年担任 杉原進先生(会員)
私が手掛けている6年生に対する岩倉使節団授業については、昨夏日比谷図書文化館のセミナールームで開催された「米欧回覧実記輪読会」で報告させていただいた。今夏は上京は叶わなかったが、8月12日(水)開催のZOOM輪読会に招かれ、岩倉使節団授業のその後について報告する機会を得た。
昨年教師生活集大成として行った「岩倉具視使節団」の授業。間違いなく自分の教師人生の中での思い出に強く残る授業となりました。
1つめは、長い間この授業に憧れていたことです。「岩倉使節団」のことを本格的に知ったのが2002年のセミナーでした。長崎県の先生がこの授業をとりあげました。教科書ではたった少ししか掲載されていない内容を取り上げ、使節団のやった意義について知ったときの衝撃が大きかったです。いつか自分も「岩倉具視使節団」の授業をしたいと思いました。それから約20年の月日がながれます。
2つめは、教材研究の深さです。米欧回覧実記輪読会の会の存在を知り、より具体的な資料を手にすることができたことです。毎日授業していますので毎回ものすごい量の教材研究はできないのでいが、年に1回くらいは精一杯教材を調べて授業したいと思っています。1人では限界があります。そのため本を読んだり、関係機関と連携したりします。2年前にメールしたのをきっかけに、資料をいただき、DVDもいただき、授業する中での大切なバックボーンが積み重なりました。これは過去の授業研究の中でも群をぬいています。また昨年久米美術館にも見学できたことも大きかったです。その際には岩崎さん植木さんにも案内していただき感謝しかありません。
3つめは、実際に米欧回覧実記輪読会の方に授業を見ていただいたことです。昨年の夏、実際にする授業を見ていただき、しかも検討の時間もとっていただきました。(懇親会にも参加させていただきました)。実際に詳しく研究していただいている方からのアドバイスをいただいたことは授業に厚みができました。
昨年の授業では、子どもも集中して頑張りました。また参観された先生からもお褒めの言葉をいただきました。前のめりになる授業と言われ、頑張った甲斐があったと思いました。
4つめは、地域の教材化のスタートがきれたことです。昨夏の会合の中で「福山なら阿部正弘がいる。それを教材化してつなげたらどうか」というアドバイスをいただきました。新幹線で福山に帰ってすぐに図書館に行ったり、藩校誠之館高校(阿部正弘が建てた学校…娘の母校でした)に行って話を聞いたりしました。「なぜペリーのお土産が福山誠之館高校にあるのか」という疑問は子どもの学習意欲を高めることができました。
また今回の学習会(2020年8月12日)の中で「初めて言論の自由を認めたということ」「地元の偉人から入るのが入りやすい」「アメリカの持ってきた物をすぐに応用していた」「若い子に考えさせる。考え方をまとめさせることを小学生からやってほしい」「子どもに資料をあたえてどれが正しいか考えさせるのが楽しい」と今後の示唆もいただきました。
今後地域の教材化もしていきたいと思っています。
また元会員三原浩さんからも大量の資料や本をいただき、身が引きしまる思いになりました。今社会の授業は鎌倉時代に入っています。今年も「岩倉具視使節団の授業」の授業ができる嬉しさに感謝しながら、日々自分も精進していきたいと思っています。
今後もよろしくお願いします。
以上