満3歳を迎えたわれわれの「サロン」はおかげさまで非常に望ましい形で育ってきています。このサロンの特徴は、温度差こそあれ、ある種の「世直し的な志」をもった人の集まりであり、それをベースに異なったキャリア、意見をもった人たちが共存し、談笑のうちに意見交換のできる場であることです。そこには右も左も、鷹羽も鳩派も、保守派も進歩派も、国際派も国内派も、市場経済派も環境保全派も、まるで呉越同船の岩倉使節団のように混在しています。それはそのまま現代社会の縮図であり地球社会のモデルでもあります。
しかし、今やその多様な考えの中から、共通の夢が生まれつつあります。その一つは、再来年に迎える2001年がわがサロンの設立5周年に当たることでもあり、何か記念的な事業をやろうじゃないかということです。
そのいくつかをご紹介しますと…「米欧回覧実記」をテーマにした国際シンポジウム、その頃には英語版全5巻も出る予定であり、世界各地から「実記」研究者を招いて研究会をやる、一千年単位の文明の大転換期なのだから「21世紀の地球ビジョン」を提言し合う会議を開催しよう、あるいは岩倉ミッションの映画を制作する、「翔ぶが如く…」的な大河ドラマを制作すべきだ、いやいやアメリカの「市民戦争」的ドキュメンタリー映画をつくるべきだ、さらには客船をチャーターして有志を募り「世界一周の視察旅行」をやるべきである、いやいやそれでは時間がかかりすぎるからジェット機をチャーターし「全地球回覧の旅」をやるべし、などなど、景気のいい話がとびかっています。なにしろほら吹き大臣や夢想国士がいろいろ揃っているサロンだけに話だけでも楽しいことは事実です。
しかし、それにしても何かそのうち一つでも実現できないかと、「2001年プロジェクトチーム」を作ろうということになりました。『よし!我もコミットしてみよう』という方はふるってご参加を…