実記を読む会:4月部会報告

2017年4月28日
場所:国際文化会館
英国編 第28巻 漫識特府(マンチェスター)の巻上・下

今回は参加者全員で、久米実記原文を交互に輪読する。

1872年9月2日、1830年に英国で最初に敷かれた鉄道線で、リバプール市を発ち、英国第三の都市マンチェスター市に向かい、ランカシャ―のセントヘレン村にあるガラス製造工場を見学する。

久米はここで、7頁にわたり延々と、ガラス製造工程や、原材料、触媒、そして自分の所見を含めて詳細を極めた描写を展開する。日本の陶器に対し、英国ではガラスを多用し、陶器はむしろ貴重品であると述べる。久米の故郷は有田焼の産地で、その製造過程に通じている故、似たような工程のガラスに興味津々。見学を終え、再び汽車で、マンチェスターへ。駅で市長らの出迎えを受けて、クインズホテルに投宿。夜、芝居に招待される。3日は、主産業の紡績工場を見学する。綿紡績でマンチェスターは大都市に成長したが、8,9年前のアメリカ南北戦争時には、綿花がアメリカから入らず、工場閉鎖と、失業に見舞われたと米国の奴隷廃止の影響がここにまで及んでいた。綿花の代替地がインドであった。次に、フィットウオール社の製鉄場を見学。1837年より、鋼、鉄、大砲、砲弾,砲車、輪台、各種機械、鋳物を生産する。各製造工程をここでも精述する。部品の規格化が産業革命にとって重要と知る。裁判所、牢獄を見学。会員の遠藤さんのご先祖が、海外留学後、日本の監獄整備に携わったと知る。4日、日曜日で、店舗も閉まり、休日を公園や近郊散策に費やす。

5日、禁酒禁煙のテンペレント協会の方が来る。ここで久米は、東洋の男子、酒豪を競い、淫欲を風流とし、女子の煙で媚悦する風を戒めている。次の更紗工場では、触媒に牛羊の糞汁を用いるのに感心する。再び、紡績工場を見学して、精密なる工程描写に費やす。久米の得意技である。この日、幹事:小坂田氏より、英国BREXITに関する資料を提供される。(文責:小野)

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