歴史部会:11月部会報告『政党政治を考える』

日時:2017年11月20日
参加者:20名
内容:『政党政治を考える』
講師:五百籏頭薫氏―東京大学大学院法学部教授

欧米や日本の現状を見渡せば、民主主義とその象徴ともいえる政党政治の在り方に疑問を覚える昨今である。今回の衆議院選挙にも、首相の解散権に正統性があるかの疑いも晴れない。又全選挙人の内、17・9%しか得票していない自民党が61%の
議席を確保するという現行選挙制度(小選挙区・比例代表併立制)が果たして、民意を正しく反映していると言えるか。今回は政党政治の歴史に詳しい五百旗頭氏にお話を聞いた。

日本は、明治の議会開設(1890年)9年も前の明治14年政変から、政府が分裂して自由党と立憲改進党の2大政党が成立・発展してきた稀有な国である。明治憲法は政党を排除していたが、政治集団を必要とする逆説構造があり、二大政党が変遷を重ねながら戦前の軍部台頭まで続いてきたという。その代表が桂園時代で組織力ある政友会と政策通が多い憲政会が交互に交代して政権を担った。憲政会には選挙の神様と言われる安達謙蔵がいて、中選挙区制による地方の名望家を基礎に、勝てる選挙を目指した。

明治以降、常に負け馬に乗る形で野党が成立するというジンクスがあった。今回の民進党の前原代表の行動もその意味では、まさしく伝統的であり、結果は、立憲民主党を含めると、改選前を上回り105議席を確保している。

今後の選挙制度は、再び中選挙区制への見直しが必要だという。立憲主義への対応も、日本は絶えずフィクションを作っての統治を重ねてきた。そのフィクションとは、戦前は天皇主権を謳い、実態は元老院政治と政党政治、それを天皇機関説でかわす。戦後は憲法に戦争放棄を謳い、日米安保による核の傘に安住する。金本位制が政党の多様性を進めたという見方も面白い。緊縮財政と放漫財政、インフレとデフレのサイクルが政権交代を促進した。

保守とは?リベラルとは? 世論調査が選挙へ与える影響。マニフェスト選挙。ポピュリズムなど考えるべきことは多い。

部会の前日にアメリカから帰国したばかりの五百旗頭氏への米国人の質問はトランプのアジア遊説の評判と北朝鮮のミサイルがアメリカに届くかどうかだったそうだ。直後、北朝鮮が行動した。

(文責:小野博正)

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