実記を読む会:6月部会報告

第215回 「実記を読む会」

1. 精力的に見聞の旅を続けてきた一行は、パークスの勧めでハ
イランドで浩然の気を養うことになった。と言っても岩倉、久
米ら4人と随行3人のみ。当時の欧州にあっては山紫水明の名
勝は、スイス、イタリア、スコットランドということだった。
精力的に見聞の旅を続けてきた一行は、パークスの勧めでハイランドで浩然の気を養うことになった。と言っても岩倉、久米ら4人と随行3人のみ。当時の欧州にあっては山紫水明の名勝は、スイス、イタリア、スコットランドということだった。
エヂンバラを発った一行は汽車でパースに至り、ピットロッホリーに着き、その近辺の小さなアソール村で静養する。この辺りの人はケルト人でケルト語(スコットランド語)を話すのでパークスたちには解らない。山といっても1300メートル強が英国の最高峰!ローモンド湖を経てグラスゴーへ帰着。

2.岩倉らの三十年後(1902)ロンドンの留学生活にすっかり疲れ切った夏目漱石は、「漱石狂せり」の風評の中、やはりハイランドの田舎家に精神を癒される。帰国後は「ロンドンの影」をバネに素晴らしい作品を書き続ける。

3.サラリーマン生活三十年を経ていささかくたびれ気味の私がふと思い立ってスコットランド主の英国へ行ったのが1993。彼らよりかなり奥地のネス湖やインバネス、ウイスキー街道などを楽しんだ。ネッシーはいなかったがウィスキーは旨かった。一番印象深いのはグラスゴー大学の正門にワットとアダムスミスの銘板が大きく残されていたこと。思えばこの二人によって西欧の産業革命や資本主義が大きく世界を変えたのだった。そのことを思いつつ、大学のパブで学生たちとビールを楽しんだ。

4.第2部としてキャロルリード「第3の男」、デービットリーン「アラビヤのロレンス」「ドクトルジバゴ」「インドへの道」、リチャードアッテンボロ「ガンジー」「遠い夜明け」らの英国映画史を紹介し、現代の巨匠ケンローチの良心的な努力を紹介した。「大地と自由」「麦の穂をゆらして」「私はダニエルブレイク」

5.最後に私がこの5月に、二十年ぶりに訪ねた中欧4カ国、ドイツ、チェコ、オーストリア、ハンガリーの近況を報告した。(1)圧倒的な歴史文化の重み、(2)質実なライフスタイル、(3)「歴史の負の遺産」をきっちりと刻み込んでいる。ナチスとソ連支配について。(4)目下喫緊のテーマ、EUの行方について実感的に考察してみた。経済レベルや国民性(ゆっくりしたい人もいる)を無視してグローバリズムやユーロ採用を強いることは不幸である。身の丈に応じた制度を!EU圏でありながらユーロを採用していないチェコやハンガリーでは半値のビールを楽しめた。余談ながら世界で一番ビールを飲むのはドイツ人ではなく、チェコ人!ヨーロッパで最初に走った地下鉄はブダペスト!

以上、文責、芳野健二

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