「米欧亜回覧の会」カテゴリーアーカイブ

歴史部会:1月部会報告

『人類文明5千年を鳥瞰する』

文責、芳野健二

今年の歴史部会は幹事の小野さんが誠に壮大な構想を提示した。宇宙とは、地球とは、人類とは、文明とは、国家とは、制度とは、をもう一度検証してみようと。その第一歩として私、芳野が表記のテーマを提示し15人で議論した。

1 宇宙、地球、人類

人間は自ら知覚できない広大な宇宙やミクロの世界を望遠鏡や顕微鏡などを使って知ることができるようになった。その結果、10の10乗(センチ)の太陽、18乗の銀河系、22乗の宇宙の地平線までの距離、また10のマイナス6乗の分子、マイナス8乗の原子、マイナス15乗のクオークを知るようになった。その過程として、2千年前のエラトステネスがアレキサンドリアとアスワン(900キロ)の夏至の太陽の影から、地球が丸いことと約46千キロの円周を持つことを計算したことに私は感動する。また天文学や考古学によって、ビックバンが約138億年、太陽と地球が46億年(目下折り返し点)、生命8億年、そして長い恐竜(生きる知恵があったようだ!)の全盛期(1・3億年間)ののち哺乳類が、そして私たち人類が目下我が世の春を謳歌していることを知った。猿人、原人、旧人を経て、新人つまり我々ホモサピエンスが数万年前にアフリカに生まれ、1万年前には南米のパダゴニアに到達していたのだ。近年冒険家の関野吉晴が十年かけてそのルートを逆に辿った(グレートジャーニー)ことにまた私は感動する。

2 国家、文明

人類は1万年前に農耕牧畜を知り、5千年前には国家・文明(文字も)をスタートさせた。まずセム系のエジプト(私はカルナック神殿やアブシンベルに圧倒された)、ハム系のメソポタミアで、次に西方ではギリシャ(「万物は無限よりなり、万物は原子よりなり、絶えず流転す」、ギリシャ人の知を私が拙い短歌にした)、ローマ、やがてヨーロッパへ、東方ではインダス文明、黄河文明へ、少し遅れてマヤ・アステカ文明やインカ文明へ(私はまたもチチェンイチュアやマチュピチュに感動した)。この5千年の歴史を鳥瞰すると、国家や英雄の栄枯盛衰はうたかたのごときものであるが、エポックメーキングな現象を列記すると、(1)紀元前5世紀の思想宗教のブレーク(ソクラテス、シャカ、孔子老子)、(2)紀元前後の古代大帝国のスタート(ローマ帝国、アショカ王、漢帝国)、(3)7世紀の中世帝国(フランク王国、サラセン帝国、唐)、(4)そして16世紀以降の西洋が「銃・病原菌・鉄」(ジャレットダイアモンドの書名)で東を圧し、近代につながっている。(5)特に20世紀以降には電気、飛行機、原子力、コンピューターなどの発明により今までにない物質的恩恵に浴するとともに、人口の爆発、資源(かってのローマクラブの警告など)と環境の問題の深刻化に直面している。人口はシーザーの頃の2億からルイ14世の頃の5億と緩やかなカーブが、やがて産業革命、アメリカ大陸への移民などで大爆発、今では73億人となり80〜100億といわれる地球人口の定員に達しようとしている。経済至上主義やミーイズムや刹那主義がはびこる今、このことを真剣に考えようとする人は少ないが解決方法には3つある。(松井孝典編「最後の選択」など)。(A)科学技術、(B)政治経済、(C)ライフスタイルの変更、であるが有識者の見解はバラバラである(このままでは恐竜に笑われる)。私は(C)と考え、「吾レ唯、足ルヲ知ル」(禅寺の水盤にデザイン的に刻まれている)や「小国寡民」「スモールイズビューティフル」を唱えた老子や石橋湛山、シューマッハなどを今こそ評価すべきではないかと思う(人間の業がそれを気づかせてくれるかが問題だが、、)。対策についてはまさに今後の各部会の課題であろう。

3 世界のそれぞれの人種とその言語

4 日本人そして日本語の形成

についても議論したが紙面の都合で省略する。興味のある方は芳野までご連絡ください。

活動内容

会員層、組織

当会の特長は、学生や主婦からビジネスマン、官僚、ジャーナリスト、文筆家に学者など、社会の各層を網羅した人たちが集まって、自由に意見交換をする雰囲気です。年齢層も20歳台から80歳台まで、主催する催しの参加者は、米欧亜10数カ国に及んでいます。会員が活動する場としては、全体例会や各種イベントの他に、下記の部会と関西支部があります。

■米欧回覧実記を読む会

岩倉使節団に同行した書記官の久米邦武が訪問先である米欧各国で見聞したことを事細かに記した視察報告書『米欧回覧実記』。漢文調のオリジナル版、現代語訳版の2種類があります。岩倉使節団は明治4年11月12日(1871年12月23日)から1873年(明治6年)9月13日までの1年9ヶ月余(632日)を掛けて、米欧の条約締結国12ヶ国を歴訪した使節団であり、特命全権大使岩倉具視を筆頭に明治新政府首脳と随員含め総勢48名で構成されました。『米欧回覧実記』は途中で回覧を中止したスペイン、ポルトガル両国の略記等も含んだ全100巻(5冊、各冊約20巻)から成ります。

読む会では、年に1冊(約20巻)のペースで実記を読み進め、報告者は担当の2~3巻に関連がある事項を発表し、意見交換をしています。漢文調のオリジナル版は読み難いので現代語訳版も併用。

原則毎月第4金曜日に開催。

■Townsend Harris輪読会

2003年1月にスタートした「英訳米欧回覧実記を読む会」が、全5巻を11年2ヶ月かけて読了しました。

その後、岩倉使節団や幕末維新を外国人はどう見ていたか英語文献を読んでみようということになり「E. Satow輪読会」として「Sir Ernest Satow, A Diplomat in Japan」を毎月1章ずつ輪読しましたが、2年9ヶ月かけて読了。2017年2月より「The Complete Journal of Townsend  Harris, First American Consul and Minister」を輪読しています。

原則毎月第3水曜日の午後2時から日比谷図書文化館4階のセミナールームで開催。

■グローバルジャパン研究会

より良き日本の未来を目指すためには、何が必要であるかを討論する会です。

原則毎月第2土曜日に開催。

■歴史部会

これまで岩倉使節団が米欧各国に派遣された明治時代の歴史的人物に主に焦点を当てて研究してきました。

2016年12月2日~4日の設立20周年記念グランドシンポジウムにて集大成の発表を行ったため、2017年は『近代とは何かを問う』をテーマに開催します。原則毎月第3月曜日に開催。

■i-Café

岩倉使節団をもっと気軽に知っていただこう、一緒に楽しく学ぼうと3年前に斬新なスタイルでスタートしました。

三部構成で、第一部の「映像とお話」ではDVD『岩倉使節団の米欧回覧』の上映と講師のお話、第二部の「ミニ・コンサート」はプロの歌い手が使節団が訪問した国の歌を披露、第三部の「交流会」は、ワインと軽食をいただきながら、歴史を肴に和気あいあいと語りあう趣向です。原則として2~3か月に1回、日曜日の14:00~17:00に開催しています。

これまで20回ほど開催してきましたが、新旧会員懇親の場になっていることに加えて、他のグループの皆さんとの交流や、若い人たちとの対話ができるなど、会に新風を吹き込んでいただけるのは望外の喜びです。「i-Café-lecture」と称して、第一部だけのイベントも随時開催しています。

■関西支部

関西在住の会員で構成し、年4回の例会を開催しています。米欧回覧実記の輪読、研究発表、意見交換など。

関西地域に多いゆかりの地を尋ねる歴史散策なども行っています。

関西在住で岩倉使節団にご興味のあるご友人知人がおられましたら、ぜひご紹介ください。