「米欧回覧実記輪読会」カテゴリーアーカイブ

実記輪読会:9月部会報告 第二十一巻「イギリス」総説

日時:令和元年9月6日 13:10~15:00
場所:日比谷図書文化館 4Fセミナールーム
ナビゲーター:冨田兼任氏

イギリス回覧を始めるにあたり、イギリスを総括説明。
国名は大ブリテン・アイルランド連合王国。1922年のアイルランド分離後は「・北アイルランド・」となる。イングランドはゲルマンから移住のアングロ人(南デンマークのシュレスビッヒ)とザクセン人(ドイツのザクセン・プロシア)が祖先のアングロサクソンが住み・ウエールズ・スコットランドに土着のケルト(Celt)人を追いやった。

当時のイギリスは、インド・オーストリア・カナダの他、ジブラルタル、マルタ、アデン、シンガポール、香港、パナマを支配する大英帝国の時代。石炭採掘高・銑鉄生産高は共に世界全体の約6割を占め、まさに世界一の工業国、貿易国であった。

道路はほぼ舗装・運河(2000km)・鉄道(2万km)と交通網も発達していた。

文献によれば、1851年のロンドン万国博覧会から73年の「世界大不況」までの時期はイギリス近代史上「繁栄の時代」とよばれたとある。その真っ只中の時に使節団は訪英したことになる。その後96年まで続く大不況の時代を通じ、「世界の工場」から「世界の銀行家」「世界の手形交換所」に変身を遂げ、今日の「シティー」の基礎が作られた。果たしてブレグジットでこの地位はどうなるのであろうか?

(冨田兼任記)

 

実記輪読会:夏休み特集 8月部会報告「教育現場における岩倉使節団の採り上げ状況」

日時:令和元年8月21日 13:30~16:30
場所:日比谷図書文化館4Fセミナールーム
演題:「教育現場における岩倉使節団の採り上げ状況」
講師:福山市立駅家東小学校 教務主任 杉原 進先生

今月は実記輪読に代わり、広島県福山市駅家(エキヤ)東小学校教務主任杉原進氏をお招きし教育現場での岩倉使節団の採り上げ状況について講演頂き、意見交換を行った。

杉原先生は、2004年の教育勉強会(セミナー)の「岩倉使節団」模擬授業に感動され「いつかはああいう授業をしてみたい」という思いを持たれた由。2009年頃から調査・資料収集を始められ、2017年ご自身で初めて岩倉使節団をテーマに公開授業を行った。その際収集資料の中に泉理事長の「堂々たる日本人」もあった縁から、当会に連絡が入りDVDをお貸しする経緯となった。

本年10月7日に教師生活の集大成として、校区の研究授業で「岩倉使節団」模擬授業を計画されている処、意見交換を目的に上京されることとなり当会合を企画した。当日は、塚本副理事長以下会員14名が参加した。

杉原先生より、経緯、授業内容の説明があり、模擬授業形式で、意見・感想等幅広く意見交換した。

当方会員より、当初計画の10か月より大幅に行程が延びた(632日、13か国)のは予期せぬ出来事(ソルトレークの大雪、天皇の委任状をとりにトンボ帰りなど)・本国からの追加調査要求が大幅に増えた・団員の好奇心も膨らんだことなどが要因、彼我の比較は「負けていたか」ではなく「遅れていたか」の表現の方が適切、政府要人トップが自ら見て感じたことが後の国の発展に大きく寄与した、キャッチアップ期間は条約改正までの40年ではなく「40年前」の欧米が当時の日本の状況と同じでありしたがって40年あれば追い着けると考えたというのが実際ではないか、福山出身の開国派老中阿部正弘を採り上げ岩倉使節団に繋げるのも一案、等々意見・解釈を述べた。

杉原先生から、得るところが沢山ありました、と謝意の言葉を頂き散会した。場所を移して行われた懇親会には泉理事長も参加した。

(冨田兼任記)

 

 

 

 

実記輪読会:4月部会報告 第十七巻「ワシントン」市後記

日時:2019.4.17 13:10~14:50
場所:日比谷図書文化館4F セミナールームA
内容:P303~P317
ナビゲーター:冨田兼任氏

5月17日北部廻覧の旅よりワシントンに帰着。その後、猛暑が続き38℃の日もあった。6月17日大久保・伊藤両副使ワシントンに帰着、その日のうちに米国側に条約交渉打ち切りを通告。
19日グラント大統領に謁見
20日各国公使館に「出立」の挨拶、各省高官を招き別離の宴
22日ワシントン出立

この巻は大きな紀行の記述なく、一般風俗や産業事情などへの感想の記述が見られる。
避暑のため多くの人が都会を離れ、この時期ワシントンは閑散としていた。ナイアガラやサラトガスプリングスの例を引き、肥前の温泉などは旅館業に力を入れたらよい、と。

南部のタバコ、米、綿花、サトウキビ産業を概括、日本米は人気高いので遠距離の輸送法さえ確立すれば輸出も可、と輸出振興にも言及。久米の着眼は現代に通じる。

共和党と民主党の大統領選の様子が記述されていたので、南北戦争の経緯を調べた。グラント大統領は戦争終結時の北軍将軍で勝利の立役者。奴隷売買は1619年に始まり18世紀に入りタバコ栽培等の労働力として増加、1720年の記録ではバージニア州で88,000人の内黒人が27,000人。自由擁護を掲げるアメリカ独立精神を信奉する北部は、ロッキー山脈の準州などを連邦に組み込むにあたり連邦議会で自由州か奴隷州かで南部と勢力争い、1860年リンカーンが大統領になると翌年南部諸州が連邦離脱を宣言、南北戦争が勃発、奴隷制を巡る連邦維持か否かが要因。
ヨーロッパは建前上不干渉だが、心情的には南部寄りでアラバマ号事件【イギリスが南部連合のために建造した船舶。戦争終結後イギリスが合衆国に1550万ドル損害賠償費を払った】なども起きた。1863年奴隷解放宣言を経て、1865年南北戦争は終結した。・・主に山川出版社 世界歴史体系アメリカ史1より

使節団が訪れた時期は、南北戦争後のバブル景気に沸いていたため経済的余裕が国を挙げての使節団大歓迎に通じた、との見方もある。

富田命保日記によれば、5月21日帰国していた小松済治氏がワシントン帰着、とある。(冨田兼任記)

実記を読む会:6月部会報告

第215回 「実記を読む会」

1. 精力的に見聞の旅を続けてきた一行は、パークスの勧めでハ
イランドで浩然の気を養うことになった。と言っても岩倉、久
米ら4人と随行3人のみ。当時の欧州にあっては山紫水明の名
勝は、スイス、イタリア、スコットランドということだった。
続きを読む 実記を読む会:6月部会報告

『米欧回覧実記輪読会』@日比谷スタートのお知らせ

これまで毎週金曜日に国際文化会館で開催してきた『米欧回覧実記を読む会』は、9月以降開催場所を日比谷図書文化館に移し、『米欧回覧実記輪読会』として、下記の通り継続して行くことになりましたのでお知らせします。

第1巻から輪番で音読しながら丹念に読んで行こうというという主旨の下、新しく会員になられた方々はもちろん、改めて読み返してみようという方々にも加わっていただき、新旧交流の場にもなれば幸いです。

参加ご希望の方は、メールで下記アドレス宛お知らせください。

1.開催日時

原則毎月第三水曜日13.00-14.40
(初回は9月13日(水)~第2水曜)

2.開催場所

日比谷図書文化館4Fセミナールーム

同日は20分休憩後、15.00-17.00に『英書輪読会』が開催されますので、案内表示は「米欧亜回覧の会輪読会」としておきます。

3.輪読会の進め方

第一巻から輪番で音読、通読し、当番(チューター役)を中心に報告・議論する。ゲストの招聘も検討する。

4.会費

800円(会員600円)
実記・英書の双方受講者は、併せて1000円

5.開催予定

9月(初回)

日時:9月13日(水)~第二水曜日~13.00-14.40
場所:日比谷図書文化館4階セミナールームA

範囲:久米邦武編著『特命全権大使米欧回覧実記(一)』の最初から

10月(第2回)

日時:10月18日(水)~第三水曜日~13.00-14.40
場所:日比谷図書文化館4階セミナールームA

『米欧亜回覧実記輪読会』

世話人 岩崎洋三

iwasakiyz1116@gmail.com