「歴史部会」カテゴリーアーカイブ

歴史部会:2017年 活動予定

歴史部会 2017年予定

会場・場所は全て、国際文化会館404号会議室
時間は13:30 – 17:00

1月16日(月)
『人類文明5千年を鳥瞰する』(芳野健二氏―会員)

2月20日(月)
『科学の未来を考えるー科学は希望か、絶望か』(映像をみて討議

3月21日(火)
『近代日本における条約改正問題の含意』(五百旗頭薫氏―東大教授)

4月17日(月)
『武器移転の世界展開と日本の位置ー19世紀の銃貿易を中心に』(横井勝彦氏 明治大学教授)

5月15日(月)
『西洋近代の普遍性を問う』(吹田尚一氏―会員)

6月19日(月)
演題未定

7月17日(月)
『江戸ナイゼイションについて考える』〈仮題 小野寺満憲氏―会員)

9月18日(月)
演題未定

10月16日(月)
演題未定

11月20日(月)
演題未定

12月18日(月)
演題未定

 

歴史部会:1月部会報告

『人類文明5千年を鳥瞰する』

文責、芳野健二

今年の歴史部会は幹事の小野さんが誠に壮大な構想を提示した。宇宙とは、地球とは、人類とは、文明とは、国家とは、制度とは、をもう一度検証してみようと。その第一歩として私、芳野が表記のテーマを提示し15人で議論した。

1 宇宙、地球、人類

人間は自ら知覚できない広大な宇宙やミクロの世界を望遠鏡や顕微鏡などを使って知ることができるようになった。その結果、10の10乗(センチ)の太陽、18乗の銀河系、22乗の宇宙の地平線までの距離、また10のマイナス6乗の分子、マイナス8乗の原子、マイナス15乗のクオークを知るようになった。その過程として、2千年前のエラトステネスがアレキサンドリアとアスワン(900キロ)の夏至の太陽の影から、地球が丸いことと約46千キロの円周を持つことを計算したことに私は感動する。また天文学や考古学によって、ビックバンが約138億年、太陽と地球が46億年(目下折り返し点)、生命8億年、そして長い恐竜(生きる知恵があったようだ!)の全盛期(1・3億年間)ののち哺乳類が、そして私たち人類が目下我が世の春を謳歌していることを知った。猿人、原人、旧人を経て、新人つまり我々ホモサピエンスが数万年前にアフリカに生まれ、1万年前には南米のパダゴニアに到達していたのだ。近年冒険家の関野吉晴が十年かけてそのルートを逆に辿った(グレートジャーニー)ことにまた私は感動する。

2 国家、文明

人類は1万年前に農耕牧畜を知り、5千年前には国家・文明(文字も)をスタートさせた。まずセム系のエジプト(私はカルナック神殿やアブシンベルに圧倒された)、ハム系のメソポタミアで、次に西方ではギリシャ(「万物は無限よりなり、万物は原子よりなり、絶えず流転す」、ギリシャ人の知を私が拙い短歌にした)、ローマ、やがてヨーロッパへ、東方ではインダス文明、黄河文明へ、少し遅れてマヤ・アステカ文明やインカ文明へ(私はまたもチチェンイチュアやマチュピチュに感動した)。この5千年の歴史を鳥瞰すると、国家や英雄の栄枯盛衰はうたかたのごときものであるが、エポックメーキングな現象を列記すると、(1)紀元前5世紀の思想宗教のブレーク(ソクラテス、シャカ、孔子老子)、(2)紀元前後の古代大帝国のスタート(ローマ帝国、アショカ王、漢帝国)、(3)7世紀の中世帝国(フランク王国、サラセン帝国、唐)、(4)そして16世紀以降の西洋が「銃・病原菌・鉄」(ジャレットダイアモンドの書名)で東を圧し、近代につながっている。(5)特に20世紀以降には電気、飛行機、原子力、コンピューターなどの発明により今までにない物質的恩恵に浴するとともに、人口の爆発、資源(かってのローマクラブの警告など)と環境の問題の深刻化に直面している。人口はシーザーの頃の2億からルイ14世の頃の5億と緩やかなカーブが、やがて産業革命、アメリカ大陸への移民などで大爆発、今では73億人となり80〜100億といわれる地球人口の定員に達しようとしている。経済至上主義やミーイズムや刹那主義がはびこる今、このことを真剣に考えようとする人は少ないが解決方法には3つある。(松井孝典編「最後の選択」など)。(A)科学技術、(B)政治経済、(C)ライフスタイルの変更、であるが有識者の見解はバラバラである(このままでは恐竜に笑われる)。私は(C)と考え、「吾レ唯、足ルヲ知ル」(禅寺の水盤にデザイン的に刻まれている)や「小国寡民」「スモールイズビューティフル」を唱えた老子や石橋湛山、シューマッハなどを今こそ評価すべきではないかと思う(人間の業がそれを気づかせてくれるかが問題だが、、)。対策についてはまさに今後の各部会の課題であろう。

3 世界のそれぞれの人種とその言語

4 日本人そして日本語の形成

についても議論したが紙面の都合で省略する。興味のある方は芳野までご連絡ください。

歴史部会:2月部会報告

歴史部会報告 2017年2月20日

本年の歴史部会の命題「西洋近代の再考」の一環として『科学の未来を考える』をテーマにして、NHK特集「フランケンシュタインの誘惑-科学の闇」(90分)を鑑賞しながら、人間にとって科学とは何か? 科学は人類にとって必要不可欠の、未来を拓く希望なのか? 又は人類を破滅に導く絶望か? などを参加者17名で議論した。

科学の闇の面で、ノーベル賞のキュリ―夫妻は発見したラジウムの放射能に侵されて死亡。ラジウム時計の生産に関わった女性たちは次々とガンに侵されて死んだ。原爆の父・ロバート・オッペンハイマ-は、ドイツが開発する前にと始めた原爆開発を、ドイツが開発してないと分かった後にも、怖さが分かると抑止力になると開発を強行して広島、長崎の投下につながった。さらに窒素固定法でノーベル賞と世界の食糧危機を救ったドイツの化学者・ハーバーは終戦を早め祖国を守る名目で、塩素ガスとマスタードガスを開発して、一瞬にして、数千人を殺傷する毒ガス兵器を作った。その妻は夫に抗議自殺したが、彼は愛国・ナショナリズムに献身した。科学兵器は常に科学技術と共に進化し、殺戮力を強めてきた。今、日本でも、防衛省の産学研究費投入が問題になっている。臨床医療の進展も人々の延命や長寿に役立っているが、一方でクローン人間や生殖医療などでの倫理問題が発生している。不老不死への挑戦も始まっている。AI問題は、もっと深刻だ。2045年には、人間の脳の働きがそのまま人工知能(AI)に転換でき、不老不死の超人類が出現するシンギュラリティー(技術的特異点)の時代を迎えるとも言われている。

人類の進化や成長に不可欠と言われる科学技術は、果たして人間を最終的に幸せにするのだろうか。現在の先端科学者たちは、一分一秒の人に先駆ける世界的競争時代にあり、自分の発明・発見したのものが,善か悪かを判断する立場にない、それは政治家や倫理学者の仕事で、好奇心の暴走・科学という一度開けられたパンドラの箱は、もう止めようがない実態を明かにする。専門化・細分化した知の暴走を防げないらしい。とすれば、我々のようなアマチュア集団の方が、より全体知・人類知が働かないかというのが今回の試みである。便利という科学技術への欲望は、止められるのか。こんなスピードで進んで果たして人間はついていけるのか。改めて、一月のテーマ-「ヒトとは何だろうか」が問われる議論へと戻った。(文責:小野博正)